脳卒中の治療について

脳卒中とは

脳卒中の治療について

TREATMENT

脳卒中の治療は?

脳卒中の治療は、タイプに応じて異なります。脳の損傷を最小限に留めるため、できるだけ早く治療を始めることが重要です。

  • 虚血性脳卒中の治療

    虚血性脳卒中の場合、血管が詰まることによって脳への血液供給が阻害されています。
    治療の目的は、血流を回復させることです。血栓溶解療法(血栓を溶かす薬剤の投与)、血管内治療(血管にカテーテルを通して血栓を除去する方法)、再発予防のため抗血栓薬(抗血小板薬あるいは抗凝固薬)や、動脈硬化を生じる病気(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)の治療を行います。

  • 出血性脳卒中の治療

    出血性脳卒中の場合、破れた血管からの出血が問題となります。
    治療の目的は、出血を止めて脳の圧力を軽減することです。外科治療(開頭手術による止血や血腫を除去して圧迫を軽減するなど)や、薬物療法(脳の浮腫の軽減)が行われることがあります。

  • リハビリテーション、後遺症に対する治療

    後遺症の軽減を図るためリハビリテーションなども重要な治療です。
    症状管理には、鎮痛剤や抗てんかん薬、抗うつ薬などが使用されることがあります。
    リハビリテーションプログラムには、理学療法(主に立つ・歩くといった大きな動き)、作業療法(手先・指先の動きなど)、言語療法(言葉、食事の訓練)があり、身体機能の回復や後遺症に応じた生活方法の獲得を図ります。
    脳卒中後遺症として痛みや気分の落ち込み、あるいはけいれん発作を生じることがあり、必要に応じて鎮痛薬や抗不安薬、抗てんかん薬による治療を行います。

脳卒中の治療は多くの専門職種がチームになって取り組みます。
医師、看護師、リハビリセラピスト、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーなどが連携して、最適な治療を提供します。
病気の原因や症状、生活背景は患者さんごとに異なるため、1人1人に合った適切な治療を心がけています。

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脳梗塞の治療

脳梗塞は予防が最も大切なことですが、起こってしまった場合には、できるだけ早期に治療を開始することが重要です。
特に発症から4時間30分以内であり、過去の病気や血液検査の異常値などから使用できない場合を除いて、「rt-PA」という血栓を溶かす強力な薬の点滴治療が可能です。あるいは、太い血管がつまっている場合はカテーテルで直接血栓を取り除く治療もあります。

血栓溶解療法、血管内治療は発症早期に症状を軽減するための治療(条件付き)です。
このほかに、発症の原因に応じた再発予防治療を行います。なぜなら、脳梗塞はとても再発しやすい病気だからです。

原因のうち、特に「心房細動」の有無がポイントになります。
心房細動は心臓で起きる不整脈の1つですが、心臓内に血栓を生み出し、脳梗塞に限らず全身の動脈閉塞を起こします。
心房細動が見つかったら、「抗凝固薬」を使って血栓ができにくいようにします。また、循環器内科に相談して不整脈を止める治療を検討してもらいます。

一方、心房細動ではなく「動脈硬化症」が原因と考えられる場合には「抗血小板薬」を使用します。
さらに動脈硬化症の悪化を防ぐことがなにより重要です。
危険因子である、高血圧、糖尿病、脂質異常症(コレステロールおよび中性脂肪の高値)、喫煙、過量飲酒、肥満などに対する治療および生活習慣の改善が推奨されています。

抗凝固薬も抗血小板薬も重大な副作用として「脳出血」があります。
この予防で一番大事なのは「血圧」です。適正な血圧を維持するように減塩を心がけ、適切に薬剤(降圧薬)を使用しましょう。

脳梗塞の治療は生涯にわたって必要となります。自己判断で中断せず、疑問がありましたらお気軽にお尋ねください。

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脳出血の治療

脳出血の原因でもっとも多い高血圧性脳出血の場合は、出血の量が少なければ血圧を下げる薬や脳のむくみを取る薬を用いて治療します。
出血量が多い場合、意識が悪い場合には血腫除去という手術を行うことがあります。
この方法には大きく2つあり、ひとつは開頭手術、もうひとつは内視鏡を用いた手術があります(いずれの手術も、出血の部位によっては適応とならない場合があります)。
若年者で起こるような、血管の異常(脳動静脈奇形など)が原因となる出血の場合には、それらの疾患に応じた個別的な治療が必要なります。

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クモ膜下出血の治療

くも膜下出血の原因の多くは、脳動脈瘤の破裂です。一度破裂すると高率に再破裂を起こします。外科的治療の目的は再破裂の予防です。
この治療には大きく2つの方法(脳動脈瘤クリッピング術・脳動脈瘤コイル塞栓術)があります。

脳動脈瘤クリッピング術

全身麻酔下に頭皮を切開し、開頭します。顕微鏡を用いて手術を行います。くも膜を切開し、脳動脈瘤にクリップをかけることで再出血を予防する治療です。

脳動脈瘤コイル塞栓術

全身麻酔下に足の付け根から動脈にカテーテルを挿入します。治療用の細いカテーテルを頭蓋内に進め、脳動脈瘤に至ります。
脳動脈瘤の中に細いコイルを充填し、再破裂を予防する治療です。

これらの治療は、動脈瘤の場所や形、脳内出血の合併しているかなどに応じて選択します。

頻度は低いですが脳動脈瘤の破裂以外には、脳動脈解離が原因となることがあります。この場合には解離した血管ごと閉塞させる(母血管閉塞)治療を行うことがあります。

これらの手術が終わった後も治療が終わった訳ではなく、クモ膜下出血特有の合併症対策が必要です。
クモ膜下出血発症後の4-14日後は脳血管が縮んでしまう攣縮(れんしゅく)を来たします。程度によりますが、脳梗塞を起こす場合にはこれによる麻痺や言語障害などの症状がでます。水分や電解質の管理、血管攣縮予防の薬を投与して予防します。

また、治療後1−2ヶ月くらい経過して、水頭症を来たすことがあります。これは髄液の流れが不良になっていると考えられています。
症状によってはシャント手術(髄液を他の部位に流す)を行う場合があります。

DRUG

薬剤について

急性期治療で使用する血栓溶解剤

アルテプラーゼというお薬が使用されることがあります。この薬は、点滴で投与され、脳の血管に詰まってしまった血の塊(血栓)を溶かす作用があります。
この薬を使うためには、脳梗塞発症時間、頭部CTやMRIの結果、採血の結果等、様々な使用条件を検討し、投与が決定されます。
したがって、全ての患者さんに必ず使うことができるわけではありません。

脳卒中後によく使用する内服薬

脳梗塞、脳出血を再び起こさないように予防薬として抗血栓薬や血圧を下げる薬が使われます。
脳梗塞や脳出血発症後に使われる薬は病気の種類によって対応が異なります。

抗血栓薬について

不整脈が原因で起きた脳梗塞の場合

不整脈が原因で脳梗塞が起きている場合、ワルファリンまたは直接経口抗凝固薬(DOACとも呼ばれます)がよく使用されます。
出血のリスク、年齢、体重等を検討して用量、薬の種類が決定されます。

原因が不整脈ではない脳梗塞の場合

アスピリン、クロピドグレル、シロスタゾール等が使われます。
2種類の薬を組み合わせることもありますが、患者さん個々の状態に応じて、使われる薬の種類、量が変わってきます。

血圧を下げる薬について

脳梗塞や脳出血いずれも血圧の管理が動脈硬化の予防、ひいては再発予防のために重要であると言われています。
自宅で毎日の血圧を測って、血圧手帳などに記録しておきましょう。

一番大切なのは早く病院に到着することです。特に脳梗塞の場合には、早ければ早いほど有効性が高い治療があります。

症状を自覚した時点で迷わず119番してください。

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